COMPETITION JUDGE

全国公募展・特別審査員

Art Consultant
Shino Sugimoto

アートコンサルタント
杉本 志乃

PROFILE

アートコンサルタント。Sotheby’s Institute現代美術コース終了。近現代美術画廊勤務を経て、2014年全国の障がいのある作家の作品発掘を開始。2017年『アール・ブリュット?アウトサイダー・アート?それとも?そこにある価値』展を皮切りに、表参道GYRE GALLERYにてOutsider Art展を主催。2017年日本財団主催「障がい者芸術フォーラム」パネリスト、調布市文化コミュニティ振興財団「アール・ブリュットへようこそ」講師。
2018年一般社団法人Arts and Creative Mind設立。独自のキュレーションによる障がい者アートの普及活動と並行し、北海道十勝を拠点に、ワイン用葡萄栽培による農福連携事業を展開。

応援メッセージ

市民による奇跡のような芸術祭「アートパラ深川」。第一回目から審査員を務めております杉本志乃です。長年アートを見てきた者として思うのは、アートに、障がい者も健常者も無いということ。普段いろんな困りごとはあるけれど、その分、心地よいと思える表現手段に出会った人は、時に爆発するようなエネルギーを発揮する。作品に「あなたの心を揺さぶる力」があるか。真っ新な気持ちで作品と向き合う、私にとって特別な機会が「アートパラ深川」です。

私は、2014年から手弁当で全国の福祉施設などを巡り、障がい者がつくる優れたアートを発掘し、国内外のアートフェアや展覧会などで紹介してきました。始めた当初は、ま
だその存在はほとんど知られていませんでしたが、ここ数年でその価値が多くの人に認知され始めたことには、隔世の感があります。

私には、重度の知的障がいの兄がいます。この審査員というお役目も、彼が繋いでくれたご縁です。物言わぬ兄を通して自分の世界が広がっていく。障がいのある人たちの存在が世界と繋がっていく。無心に描く作家の姿から「今を精一杯生きろ」と。彼等から受け取った大切なメッセージが、深川の町を駆け抜けていくようです。

アートは、私たちの心を耕し、異なる感性を認め合い、彩り豊かな社会を築く力を持っています。深川の懐深い気質と相まって、「アートパラ深川」が、末長く続く祭典となることを心より願っております。